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迷路のやうな愚かさよ。

美・・美というやつは恐ろしいおっかないもんだよ!
つまり、杓子定規に決めることが出来ないから、それで恐ろしいのだ。
なぜって、神様は人間に謎ばかりかけていらっしゃるもんなあ。
美の中では両方の岸がひとつに出合って、すべての矛盾が一緒に住んでいるのだ。
俺は無教養だけれど、この事はずいぶん考え抜いたものだ。
実に神秘は無限だなあ!この地球上では、ずいぶん沢山の謎が人間を苦しめているよ。
この謎が解けたら、それは濡れずに水の中から出て来るようなものだ。
ああ美か!その上俺がどうしても我慢できないのは
美しい心と優れた理性を持った立派な人間までが、往往聖母(マドンナ)の理想を
懐(いだ)いて踏み出しながら、結局悪行(ソドム)の理想をもって終わるという事なんだ。

いや、まだまだ恐ろしい事がある。つまり悪行(ソドム)の理想を心に懐いている人間が、
同時に聖母の理想をも否定しないで、まるで純潔な青年時代のように、真底から美しい理想の
憧憬を心に燃やしているのだ。いや実に人間の心は広い、あまりに広過ぎるぐらいだ。
俺は出来る事なら少し縮めてみたいよ。ええ畜生、何が何だか分りゃしない、本当に!
理性の目で汚辱と見えるものが、感情の目には立派な美と見えるんだからなあ。
一体悪行(ソドム)の中に美があるのかしらん?・・しかし、人間て奴は
自分の痛いことばかり話したがるものだよ。
(ドストエーフスキイ「カラマーゾフの兄弟」より)

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先日山梨の三島由紀夫文学館に行ってまいりました。
この文章は、そこで購入した彼の著書「仮面の告白」の冒頭にあるものですが、
これはドストエーフスキイの苦悩の呟きであると同時に、
醜悪なこの世の真理でもあるのではないでしょうか。

三島由紀夫。
私はずいぶんと昔から、彼に恋しております。というよりも彼の文章に。
読んでいると心臓のあたりが鷲づかみされたように苦しくなるのです。
ああ、これは恋かしらん?
私は昔から、
誰かと肉体関係を持ってもそのような感情は起こらない冷血漢であるのに、
彼の文章では身震いするように、心が高揚するのですから。
これはecstasyなんだとはっきり自覚したのは、ずいぶん後のことでしたが。
印刷物のテクストだけでそのような状態になる気狂いであったのに、
肉筆の原稿を拝見したときには、もっとはっきりこれは恋であると確信したのです。

しかし、恋とは人間の何なのでしょう?
ドストエーフスキイふうに言うなら、
聖母(マドンナ)と悪行(ソドム)の戦いではないでしょうか?
どちらかが優勢になることは、けっしてないのよ。

私は世間で言う「汚辱」を「美」と感じる人間ですから、
これからも、私の痛い部分をここでじっくりお話していこうと思うのですわ。
出口のない迷路のような愚かさを、篤とご覧あれ。
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Comments 4

彩月(あやつき)

りんくん。

へえ。りんくんにそんな過去があったとは・・。エロ小説をブログになさったら如何?(笑)

2012-08-22 (Wed) 08:16 | EDIT | REPLY |   

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2012-08-21 (Tue) 18:51 | EDIT | REPLY |   

彩月

M野様。

四年越しの恋が叶ったのですから(笑)、そんなに急ぐなという神様の啓示ではないでしょうか…。逢える時は逢えますし、逢えないときは逢えません。運命はいたずらですから。今週は楽しい時間を過ごしましょうね。

2012-08-20 (Mon) 19:00 | EDIT | REPLY |   

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2012-08-20 (Mon) 14:45 | EDIT | REPLY |   

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