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天国か地獄か。

レースクィーン時代からのお知り合いである
ジャーナリストのM氏とこんな話しをした。

「死んだら天国と地獄どちらに行きたいか?」

もちろん、大抵の人は天国と答えるのだろうがM氏ときたら
天国なんて何もなくて退屈だから、僕は絶対地獄がいいな。
なんてニヤニヤ笑いながら言うのだ。

私は地獄界より畜生界がいいな。
六道輪廻でいう、欲望がありすぎて自分を見失ってしまう者が落ちる世界。

私は芥川龍之介の羅生門の世界が好きなのだ。
ちょうど、高校生の頃に読んだように思う。

荒廃した羅生門に積み上げられた若い女の遺体から髪を抜きとる老婆。
これだけでも奇妙な描写なのであるが、
主人公の男(解雇されて生きるか死ぬかの下人)がこの老婆を責めたてるのだが、
「これは生きるためにしょうがなくやっているのだ」と老婆は言う。
どうやらこの死んだ女の髪でカツラを作って売るらしい。

そして老婆は続ける。
この死んだ女だって、蛇の干物を魚の干物だと偽って売っていた悪い人間なんだと。
そう自分を正当化する。それを聞いた下人は老婆を組みふせて着物をはぎ取る。
「己もそうしなければ、明日にも餓死する身体なのだ!」そういきおいよく言うのだが
先ほどまでの悪事を働くためらいとは裏腹に
その表情は奇妙にも「生き生き」としている。

そんな感じの内容だったと思う。
私はこの「羅生門」に畜生界をみる。だけど、今書きながら思ったが
このようすはまるで人間界ではないか?

人間界も畜生界も地獄界も、ひょっとしたら一緒なのかもしれない。
唯一違うのは天界だけ。
でも、こんな見るからにタイクツそうな天界に行きたい人はいるのだろうか?
苦悩もなければ、快楽もないだろう。
人はそれを煩悩というけれど、煩悩があるからこそ人間は生き生きするのよね。
老婆を組み敷いて衣服をはぎとった時の、羅生門の下人のように。


curry.jpg

目に鮮やかなインドカレー。この色はスパイスの色み。
日本で言う薬膳料理らしいが、スパイス料理は身体の調子を整える。
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2011-06-25 (Sat) 03:02 | EDIT | REPLY |   

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